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2386 昭和の人身売買の生き証人 miss トモエさん 遊郭の事を少しお話させてください

2012/12/02 こんにちは

遊郭の事を少しお話させてください。

遊郭と言うのはたくさんの女郎屋が集まって出来た町みたいなものです。

その一画は女郎屋さんがずらっと並んでいました。

花街とか廓とか呼ばれているのもあったと思います。


そこ(遊郭)で働く売春婦を女郎とか娼妓(ショウギ)とか遊女とか呼ばれていました。

そこで働く女郎はそこ以外の場所に住むことが出来ませんでした。


遊郭や女郎屋はみな同じと思われるかもしれませんが営業方法などそれぞれに違いがありました。

ですから私の体験談が全ての遊郭や女郎屋、女郎に当てはまるものではありません。




みなさんは遊郭と聞いてどのような印象をもたれるでしょうか?

華やかで優雅なところ?それとも人身売買に象徴されるような暗いイメージですか?

一概には言えませんが私は明治昭和の遊郭は暗くて陰湿なところだと思います。

女郎屋もまともな方が経営するところとやくざが経営するところでは働く女郎の待遇等にも大きな差があったと思います。

戦前と戦後でも営業方法などに違いが出てきます。

女郎にしても戦前はほとんどが身売りした女(人身売買)でした。

戦後は自ら働きに来る女もいました。



時代劇で女郎屋が出てきます。

格子の中から女郎を見て指名する様子が描かれていますがそういう営業は私の時代はすでに禁止されていたようです。

しかし禁止されたからと言って素直に従うわけございません。

さらに激しい客引きや客寄せがあったと思います。

警察なども見逃してくれていたのでしょう。

それまで通り格子の中にすわったり店の前に立ったり椅子に座ったりしてお客を引いたり、店の前に女郎を縛ったり店先に裸の女郎を正座させて客寄せにしたりしていました。


戦前は泊りと時間(一定の時間で事をする)の二通り位しかなかったと思いますが戦後はこれにショートという営業方法が加わりました。

泊り、ロング、ショートと言っていました。

ショートと言うのは低賃金で働いている人でも女を買えるように時間を短くして低料金で事をするのです。

ショートを専門にするお店も出てきました。

ちょんの間と言われているところだと思います。



そうそう、違いと言えば戦前は和風の風情だったのが戦後は洋風に変わってしまったのが大きな違いかもしれませんね。



女郎屋によっては置屋を持っているところもあって芸者や芸奴も売春をしていました。

昔の女郎は色々と身分も分かれていたみたいですが私のいた当時は部屋持ちとそうで無い者(共同で部屋を使用)(見世女郎と呼ばれる事も)に分かれているぐらいでした。

部屋持ちの方が身分が高く威張っていました。

お店によっては見世女郎の下にさらに位の低い女郎を置いているところもありました。


お客はひいきの女郎がいればそこに直行するのですがいなければ遊郭に入ると女郎屋を見て回ります。

気に入った女郎を見つけるとそのお店に入り指名します。

泊りの場合は部屋に入りお酒を飲んだり食事をしたりします。

この時に芸者を呼んで遊んだりしてから床に入る人もいます。

また芸をする女郎を呼んで座を盛り上げさせたり、2〜3人で来てそれぞれに女郎を指名して一緒に宴会をしてからそれぞれの部屋で床に入る事もあります。

泊りでも早くに来て遊ぶ人もいれば遅くに来る客もいました。

泊りは早朝6時ごろ帰ります。さらに何日も居続ける居続けというお客もいました。

遊び方は様々です。



女郎屋の営業時間も様々です。

いつでも入り口をあけているお店もあれば深夜に閉めてしまうお店もありました。

お店をしめたと言っても泊りや居続けのお客がいるので24時間営業と言えるかもしれません。



私のいたところの女郎は朝9時〜10時頃起きます。

お風呂に入り食事をしてお化粧をします。

12時頃から客引きをします。でも昼間は暇なことが多いです。

16時ごろ食事をします。

食事は1日2食です。

17時頃から賑わってきます。

泊りのお客がつかなければ深夜2時頃に寝ます。

大変なのは深夜になってから来る泊りの客です。

早めに来ている泊りの客は深夜までには寝てくれるので女郎も寝ることが出来ます。

遅くに来る泊りの客は早朝6時まで寝る事が無いのでお客を帰してから寝ることになります。

その場合睡眠時間は3〜4時間です。お昼にお客がつかなければ仮眠を取る事も出来ますがお昼から何人ものお客がつき泊り客までつくと本当に大変です。



女郎屋も女郎にとって良いお店と悪いお店があります。

契約する時には買い手の言いなりです。

契約も様々です。

楼主との契約では親などの保証人の数も違いました。

契約を破ればその人たちが責任を負う事になっていて親思いの女郎ほどそれに縛られていました。

玉代の取り分も5分5分が相場だったと思います。

良いお店だと借金を返して少しくらいお金もたまるのですが、悪いお店だと玉代の取り分も悪くてさらに借金の返済だけでなく女郎屋での部屋代、食事代、化粧品代など取られてしまいます。

ですから悪い所だと部屋代などを借金をして払う事になり、借金が減るどころか日々増えていってしまいます。

馬車馬のように働いても期限までに返せず逆に増えてしまって年季の延長やさらに環境の悪い女郎屋にくら替え(女郎の転売)させられます。

私がいたところも正直悪い方のお店でした。



遊郭(女郎屋)について書きました。イメージが湧いたでしょうか?

悪い所があれば言ってください。

......

......

SM小説で読んだことのある内容ですが、それを直に体験された当事者である方から聞きますと、ぐっと凄みが増します。

女郎屋に売られたら、大抵、逃れられない運命となるのは、このような仕組みだったのですね。

お客に朝まで責められた場合、寝る時間がなくなってしまうのは非常に辛い。

過労死する人たちも続出だったでしょうし、自殺者も続出だったとか。

さすがに今は、お客さんの数が減っているだけに、ここまで過酷なことはないとは思いますけど......。

いや、今もあるかも?

そのあたりはどうなんでしょう、MISS トモエさん?

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