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34 私、間久津 明が取材した、女の値段は……ハウマッチ？
『女コマしてソープに叩き売ったぜ！』
なんて話はよく聞きます。
よく劇画や映画で暴走族やスケコマシのヤクザなんかがよく吐くセリフですが、過去に私の知り合いで本当にこういうセリフを吐いたヤツがいました。
自称“元暴走族でヘッドだった”というヤツです……あ、始めにお断りさせていただきますが、ソイツは決して友人ではなく、単なる知り合いであって、今は何の付き合いもございません。
ある時期に仕事関係でたまたま一緒になったときに“その手の話をした”だけの付き合いです。
私、間久津明は、その手の話が好きなだけであって、実際に女の子を売り飛ばした経験は一度もございません、念のため。
で、ソイツの話なのですが……。
『女、強姦してさあ、お風呂屋さん連れて行っちゃうんだよ、お風呂屋さん……』
『お風呂屋さんって？』
『ソープランドだよ。そしたらねえ間久津さん、ブスでも若けりゃ600万だよ、600万』
『……』
『いい女だったらね、1本取れるよ、1本。1000万だよ』
私は、しばらく相槌を打ちながら話を聞いておりました。
自称、“元暴走族のヘッド”は、得意げに話を続けました。
『埼玉のソープってさ、窓に鉄枠がはまってんの。あれ絶対逃亡防止用だぜ。それでさ、ソープの開店するちょっと前に店の前にリンカーンコンチネンタルやらキャディラックが横付けされてさ、運転しているヤクザが車から女を引っ張り出して店に引き渡してさ、それでまた店が閉店する直前に車が横付けされて、店から女引き取って連れて帰っちゃうの』
生々しい話です。ソイツの年齢から逆算すると、80年代の半ばごろの話でしょうか。
『あるときさあ、ヤクザが女を車から引きずり出して店に連れ込もうとしたときに、女が嫌がったみたいでさあ、そのヤクザ、怒って女の顔蹴ってやんの、顔だぜ顔……商売道具じゃんか、客付かなくなったらどうすんだろ……』
自称、“元暴走族のヘッド”は、その女を気遣う風も無く面白そうに語っておりました。
『族の先輩でさヤクザになってる人がいて、その人んとこいったらさ、「おめえら、タダで女抱かせてやるっ！」て言われて、売られた女を店に出す前によくやらせてもらったよ。やった後に店のヤツが「よかったですか？」って聞きに来るわけ。そのときにさ、「よくなかった」なんて答えたら、後でその女、「俺の顔ツブシやがって！」ってリンチされんの』
と、本当に嬉しそうに語っておりました。
『売られたときの600万はその女の借金になるんだけどさ、女が身体売った花代は、店が半分取って女見張ってるヤクザが半分取るんだよね。その女がいくら頑張って身体売って稼いでも元金は高利で増えていくだけなんだよ。だから抜けられないんだよね』
そんな話をしながらその後、その“自称元暴走族のヘッド”は、本当に面白そうに話を続けました。
このあたりは、前ページの陳さんのお書き込みと同じですね。
『あるとき、「店やりたいから600万貸してくれ」って自分の彼女連れてきたヤツがいてさ、半年後に600万返しにきたら高金利で1000万以上に増えていて返せなくなってやんの。そいつ、泣いちゃってさあ』
そういって笑っておりました。
『しかも女の方も、連れてこられたときは大人しくて清楚な感じだったのに半年身体売らされたお陰ですっかりスレッカラシになりやがって、元の彼氏にあっても「こんなヤツ知らないわ」って反応なんだよ……笑ったなあ……』
本当にトンでもねえ野郎です。
『お風呂屋に売られた女は、１日のうちに何度も風呂に入らされるだろ？だから油分が抜けて肌がカサカサになるんだよ。20代でも1年で40代の肌になるんだぜ、おばさんみたいになっちゃうんだよ』
ソープ嬢という仕事が、いかに過酷なのかを語っております。
喜々として語っているその“自称元暴走族のヘッド”に嫌悪感を抱くと同時に、面白い話を聞かせてくれてありがとうといった感謝の気持ちもあって、なんだか複雑な気持ちになっておりました。その後、ソイツとはそれっきり会っておりません。
といったわけで、女1人の値段は、
『1980年代中期にソープランドに売った場合においては600万が相場』
ということで、
その情報ソースは、
『実際に人身売買に加担していた元暴走族のヘッド』
です。
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